性欲は、不自然な食事によって体内に蓄積された異物から生ずるのである。 : 異常性欲、ロリコン、変態、抑える方法、抑えたい


【自然に順応した生活は感情を静める】
性欲を抑えるために、断食をしたり、からだを痛めつけたり、寺などにこもったりすることが行われているが、このような異常な手段によって目的が果たされることは、むしろまれである。しかし、修行上の大敵であるこの性欲も、前途のように、刺激性の材料を用いない自然の食物を常食とすれば容易に克服できることを、実験の結果は示している。このような自然の食事は、心の落ち着きをもたらすが、この心の落ち着きが、活発な思考力と、明晰な理解力と、適正な判断力を養ううえに最も大切であることは、心理学者の認めているところである。
【性欲】
ここで、自然な生殖本能について少し述べておこう。生殖本能は、自己保存本能に次ぐ、動物の最も強い本能である。性欲には、他のあらゆる欲望と同様、正常な状態のものと、異常で病的な状態のものとがある。そして後者は、一にかかって、前述の不自然な食事によって体内に蓄積された異物から生ずるのである。性欲は、実は、きわめて正確な健康のパロメーターである。性欲を、その正常な状態からむりに発動させるものは、身体内部に蓄積された異物の圧力による神経的刺激である。この圧力は、生殖器官に働いて、性欲の昂進という形で現われ、後しだいに減衰してゆく。

正常な状態にある性欲も、心の落ち着きを妨げる情動を解消しようとして、生殖器官に働きかけるが、ごくたまにしか発動しないものである。他の欲望の場合と同様、性欲の場合も、前述の自然に順応した生活を営むことにより正常に保たれることが実験により確認されている。

【生命の木の根】
生殖器官は、重要な神経---特に、交感神経と脊髄神経---の末端がそこで結合しており、それらが脳に接続していて、全身に活力を与えるようになっているため、生命の木の根のようなものである。性欲の使い方を正しく心得ている人は、身心を健康に保って快適な生活を送ることができるのである。

今日、一般社会では、性の問題を不浄で下品なこととしているため、実用的な性の健康の原理についての教育がなされていない。そのため、性について無知な人々は、厚かましくも、自然をヴェールでおおい隠そうとしている。彼らは、性を、自然の中にある醜い面だと思っているが、醜さは彼らの心の中にあるのであって、自然そのものの中にあるのではない。性の力を誤用することの危険性を知らず、不健全な生活から生ずる異常な性神経の刺激にほんろうされていると、病気を招き、ついには早死にをすることになるのである。


※インドの聖者の書いた本「聖なる科学」の、P56~P57より転載。
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