「一日に必要なカロリー」の根拠は信用できない。


なぜ、草しか食べない牛が筋肉質なのか?
――――――――――――――――――――――――――――――――――

現代医学では、栄養とともにカロリーを重視します。男性は1日に2200キロカロリー、女性は1日に2000キロカロリーが必要、などといいます。
しかし、この必要カロリー数は、なにを根拠に計算されているのでしょうか。じつは、1日の消費カロリーが平均2000キロカロリーくらいになるだろうから、最低でも1日に2000〜2200キロカロリーを摂取する必要がある、という単純な考え方に基づいているのです。
なるほどと納得できるでしょうか。甲田博士は、次のように指摘しています。
「人間の体の仕組みを知らない机上の理論にすぎません。わたしたちの体の代謝はミステリアスといってもよく、計算どおりにはいかないのです」
実際に患者さんたちの食事量と体重の増減の相関をみていると、不思議なことばかりあると、つぎのように具体例を挙げて説明をします。
「たとえば、1日2食の少食療法を行なうと、最初の3ヶ月くらいは体重がどんどん減ってきます。しかし、それを過ぎてくると、1日の食事量は変わっていないのに体重がふえてきます。」
栄養素に関しても、現代栄養学では、蛋白質は1日に70〜80グラム摂取することが望ましいなど、各栄養素の必要摂取量の目安を設定しています。蛋白質は、わたしたちが健康を守るうえで欠かせません。ところが、甲田医院の患者で、動物性食品をいっさいとらない生活を続けている人の血液を調べたところ、血液中の蛋白質は基準を満たしていることが確認されています。
蛋白質をほとんどとらない食事でありながら、血中の蛋白質が基準を満たしているのは、どうしてでしょうか。
「このことは、草しか食べない牛に筋肉がつくことを思うと、納得できるでしょう」と甲田博士はいいます。牛は牧草だけを食べ、蛋白質をほとんどとらなくても筋肉ができます。人間も同じで、菜食にして食品から蛋白質をほとんど摂取しなくても体内でアミノ酸が合成され、筋肉がつくられます。しかも、肉食よりも柔軟性とスタミナに富む筋肉ができるというのです。



東 茂由著、甲田 光雄(監修)「長生きしたければ朝食は抜きなさい」
P42〜P43より転載しました。
http://amzn.to/SQOkKF
全文転載したいくらい良い本でした。