少食で寿命が延びることが実証された


【少食で寿命が延びることが実証された】
遺伝子の研究が進んでいますが、その重要なテーマのひとつが、寿命の延長です。遺伝子の解明が進み、それを活用すれば150歳や200歳の長生きも夢ではないというわけです。ハエの長寿遺伝子が発見されたなどと、大々的に報じられたりします。
しかし、確実に寿命が延長できる方法として、現代科学で現在までに唯一認められているものとなると、食事を減らすことしかありません。
昔から、長寿の人は長生きの秘訣のひとつとして、かならずといってよいほど、「腹八分目の食事を心がける」ことを挙げています。
人間においては、腹八分目の食事や少食を実行して実際に寿命が延びたという疫学的データはありませんが、動物実験では、食事を制限すると寿命が延びるという確固たるデータがいくつもあります。
コーネル大学のマッケイらのグループは、いまから六十数年前、ラットを超低カロリーのエサで飼育することによって、寿命を3年から4年へと、33パーセントも延ばすことに成功しました。また、マウスの実験では、週単位のカロリー摂取量を40キロカロリーから120キロカロリーへと段階的にふやしていくと、それにともなって平均寿命、最大寿命ともに著しく低下していくことが確認されています。
現在では、さらに人間に近い動物として、平均寿命が約40年のアカゲザルをつかった長期間飼育実験がアメリカの研究所などで行なわれ、低カロリー食にすると寿命が延びることが確認されています。
少食にすると寿命が延びることは、わが国でも、九州大学心療内科の久保千春教授が行なった動物実験によっても確認されています。
なぜ、カロリーを制限すると寿命が延びるのでしょうか。
その理由のひとつとして、食事量を減らすことで、体内で活性酸素がつくられる量がすくなくなり、活性酸素の被害を最小限にできるからとも考えられています。
つい最近、米国立加齢研究所のグループの研究によって、低カロリー食で寿命が延びたサルには、体温が低い、血中のインスリン濃度が低い、DHESAとよばれる血中ステロイドの低下が遅い、という三つの特徴があると、新聞で報道されました。
以上のことからも、甲田博士が提唱する少食療法は、現代医学の研究で唯一認められた長寿実現の食事療法ということになります。



東 茂由著、甲田 光雄(監修)「長生きしたければ朝食は抜きなさい」
P90〜P91より転載しました。
http://amzn.to/SQOkKF
全文転載したいくらい良い本でした。


■管理人コメント

長生きになるということは、健康になるということ。
健康になるということは、リアルタイムで精神的に肉体的に良い状態になるということ。